​『スパイダーマン:ホームカミング』 MCUスパイダーマン1.5作目

​​『スパイダーマン:ホームカミング』

Spider-Man: Homecoming

2017・米

ジョン・ワッツ

Directed by Jon Watts. With Tom Holland, Michael Keaton, Robert Downey Jr., Marisa Tomei. Peter Parker balances his life as an ordinary high school student in ...
A young Peter Parker/Spider-Man (Tom Holland), who made his sensational debut in Captain America: Civil War, begins to navigate his newfound identity as the web...

あらすじ:スパイダーマンは、武器取引の現場で地球上の技術とは思えない兵器の存在を知る。その強力な武器を製造し売りさばいているヴァルチャーと戦うことになる。

感想:おおむね満足!おおむね。ただ、ベンおじさんがいない……

鑑賞前の姿勢がとりにくい位置の作品。

シビル・ウォーで顔見せはできていても、単体作品は1作目。1作目だが誕生譚は語られず、スパイダーマンとしての活動はすでに始まっている。 そこから、どのようにヒーローとしての活躍を決めていくか、というお話だ。

いうなれば、途中から始まって最後までの映画。そのため置き所の難しい作品。

とはいえ、そんな置いてけぼりになりそうな始まり方でも、役者の力を借りつつしっかりとキャラクターに感情移入させ、1テーマをしっかりと語りきる見事な出来栄え。MCUのいつもの手腕といったところ。

しかし、いかんせん途中から始まるせいで全体的にドラマが弱くなっていると感じる部分もままある。

『パシフィック・リム』が最終話から始まったような映画なように、本作も、導入部は済んだこととして始まる。

冒頭、シビル・ウォーでの顔見せの展開がダイジェストで入る。スパイダーマンがあこがれのアヴェンジャーズと共闘できる高揚感が伝わってくる一番楽しいシーンだ。(キャプテンを敵に回して楽しいだけで済むかはさておき)この場面には、力を手にして、世界観が広がった高揚感が詰まっている。

しかし、この時点で、どのように能力を身に着けたのか、なぜヒーローとして人助けをはじめたかは省略されている。

能力を初めて使ったり、試行錯誤するなどの楽しい場面がなくなっているのは、ただただ残念。

だが、一番問題なのは、ヒーローを始める理由が省略されている点だ。それにより全体的に話が浅くなってしまっている。

つまりは、ベンおじさんの不在だ。本作では彼は全く登場しない。物語開始時点(シビル・ウォー前)には、「メイおばさんにとって悲しいことがあった」と言及するにとどまっている。

家族写真や、回想シーン、思い出話もない。ベンおじさんは完全に保留された状態で、続編での登場はあるかもしれないが、本作ではまったく描かれていない。

それにより、スパイダーマンの核となる部分が抜け落ちているように感じる。

もちろんそれによって、前シリーズの重たさが消えて、軽快な学園ものが楽しめるわけだが、どうにもピーターの腹の底まで見せてもらったようには思えない。

脚本において、感情が大きく動く場面は省略してはならないと言われているが、スパイダーマンに取ってはベンおじさんとの別れはなくてはならないものだ。

劇中、人助けをしたい、アヴェンジャーズにあこがれている、トニー・スタークに認めてもらいたい、といった動機は描かれるので物語に納得はできる。しかし、動機を抱くきっかけが抜け落ちているので、感動にまでは至らなかった。

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