『セブン・サイコパス』サイコパス集めました。けども寂しい。

『セブン・サイコパス』
Seven Psychopaths
2012・米 マーティン・マクドナー
IMDb 7.2
Rotten Tomatoes 82%

あらすじ:脚本が書けないんでサイコパス募集します。

あらすじとキャスティングだけで相当面白そう。サム・ロックウェル、ウディ・ハレルソン、クリストファー・ウォーケンといったサイコパス強者がはじけた演技を見せてくれそう。
しかし、予想を上回らない。
この映画自体がサイコ的というか、常人では図りしてないものに満ちている。妙にポエミーな部分も、どこか常識とずれた、死刑囚の手記みたいなフレーズが多い。

予告でのエキセントリックな活劇といった印象で見始めてしまい。最後まで違和感がぬぐえなかった。
前作『ヒットマンズ・レイクイエム』もどこかズレた人物たちのトラジコメディみたいな雰囲気だったので、その印象で見ていたらちゃんと受けとめられたかもしれない。
日本のトレーラーがかなりアッパーなコメディ、エンタメ路線だったことで肩透かしを食らってしまった。
ちゃんとダウナーな雰囲気もつたえられていたらただのエンターテイメントではないということだけは承知しておかないと、見誤ってしまう。

でも評価は高いから、見間違えた人のほうが少ないのかしら。

↓ネタバレ感想↓

脚本執筆に行き詰まり、友人が勝手に新聞広告を出してしまう。
サイコパス募集、イカれた話を聞かせてください。
話が動き出したかと思いきや、参加者は一人だけだ。

せっかく新聞広告を出したのにこの広がりの無さは残念。
でも、この人物の話が抜群に面白い。
むしろ、この人だけで話が作れてしまう。

連続殺人犯を殺して旅をする夫婦の話。まあそれだと、『ナチュラル・ボーン・キラーズ』とか『ゴッド・ブレス・アメリカ』とかとかぶってしまうかも。しかし、一番盛り上がったのここで、未可決のはずのゾディアック事件の犯人がなぶり殺しにされるのは見ていて爽快だった。

そこから、事態はひっ迫していく。マフィアの怒りを買って荒野に逃げる。

なぜか逃亡しながら脚本の構想を練っていくので、なんだか現実味がない。
そんななか、友人が殺人犯だとわかったりするが何が現実だったか怪しい。
脚本の構想としてベトナム人兵士のトラウマ話がかたられ、かなり掘り下げられるものの、、実話としては絡んでこない。

そのためテーマとしては存在感を出すが、しょせんは構想での話であんまり気分があがらない。
現実と脚本の中でなにかをつかんだらしいがそれも観念的で掴みづらい。ここの結論をつかめたかどうかが、作品の評価の分かれ目だろう。

最後に、募集広告に応募してきたサイコパスが再登場する。
主人公は彼と約束を交わしていた。
別れた妻と再会できるように、映画の最後にメッセージを入れてほしい。
しかし主人公は、作り話だと思ったから、約束を守らなかったようだ。
それに怒って殺しに行くと電話をしてくる。

主人公は意を決した表情で「わかった待ってる」
しばし沈黙ののち「お前はかわった」なにか納得したご様子で殺すのは取り止めにしたらしい。
どっちにしろ主人公も守りもしない約束をすること自体がおかしい。
作り話でも、連絡待ってますみたいなメッセージでもいれておかないと。
主人公が人として成長したことと、約束を守るかどうかは別問題だ。
いったいどう成長したのかも、これまたつかみづらい。

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