『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』とりあえずローグ・ワンで。

RogueOne

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』

Rogue One: A Star Wars Story

2016・米

ギャレス・エドワーズ

IMDb 8.3

Rotten Tomatoes 84%

あらすじ:デス・スター完成間近。

ディズニー企画なんだから、どうせ面白いんだろうな、くらいの感じで、初日のユナイテッド・シネマとしまえんで鑑賞しました。

ザックリと感想を

めんどくせぇこの話。

エピソード3と4の間というただでさえ短い期間の話な上に、デススターの設計図奪取という結果がわかりきった題材。

にも関わらず、何一つ予想の先をいかない鈍重な話運び。この手の、オチが見え見えの史実ものと同じようなお話は、人間ドラマでしか魅せようがないと思うけども、キャラクターは誰ひとりとして好きになれなかった。

勘の悪い登場人物

前フリも何もなくても、話の全容はわかりきっている。

デス・スターの情報を握っている帝国軍パイロットが、離反してきたところから物語は始まる。

なのに、序盤はその情報の真偽について、延々と疑る展開が続く。もちろん未来が読めるわけでもないからそれは致し方ないことだけど、観客のほとんどは未来を知っているわけだから、登場人物たちが、先の読めていない無能に見えてしまう。

その筆頭が、フォレスト・ウィテカー演じるソウ・ゲレラ。反乱軍の中でも過激派で問題視されていて、戦い中で疲弊して、機械の体と生命維持装置をつけていて、ダース・ベイダーの対比でございと登城する。終わりの見えない戦いで疑心暗鬼になり、情報が得られても疑り深くなっている。そういう描写はしっかりしているけど、やりすぎ。パイロットが持ってきたメモリーカードの中身も確認しないまま、何故か記憶を読み取るタコ型生物に触手プレイで嘘をついているか調べて、その結果をもってもまだ疑ってたりする。

フォレスト・ウィテカーの重厚な演技も相まって、序盤は彼の尺稼ぎに付き合っているような苦痛を感じた。

感じの悪い登場人物

ならず者集団が主役なため致し方ないけど、ファーストインプレッションが感じ悪い。

メインとなる二人の印象はマイナスからのスタート。

主人公のジンは幼少期の場面が描かれしっかりと感情移入できる導入部が用意されている。しかし、数年後の現在のパートの導入は理解が追いつかないままに話が運ぶ。まず、刑務所のような場面。目覚めるだけで生活ぶりはわからない。そして強制労働に連れ出される場面。連れ出されるだけでどんな重労働かわからない。連れ出される途中で、反乱軍が救出に現れる。ジンは拘束を解いてもらうと、助けに来た相手を何故か殴る。あとあと、育ての親であるソウ・ゲレラに捨てられた過去がありそれが影響しているかもと思わせるけど、かなりあとになるまで不可解な行動としか思えない。

チームを引っ張るリーダー役のキャシアン。登場してからいきなり、弱気になっている反乱軍側の仲間を殺すところから始まる。感じ悪い。

感じ悪い二人が険悪なムードを作り上げ、なし崩しに和解してチーム化貸していくようにしか見えなかった。

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まとめると

もちろんプリクエルよりは面白いし、いい場面もいっぱいあるけど、そこかしこにノイズがあって話に集中できなかった。

タコが登場する意味はあったのか、なぜポーラー・エクスプレス並の造形でピーター・カッシングを生き返らせたのか、スイッチの場所、通気口のギミック。

あまり過度な期待はせずに2回目を見たら楽しめるかもしれない。

↓ネタバレ感想↓

いかにして目が死んでいき、クライマックスも冷めた気持ちで見る羽目になったのかの振り返り。

反乱軍は、帝国軍の新兵器デス・スターの情報をつかみ、その設計図を奪取すべく基地へ向かう。

となるのに90分はかかっている。

しかもそれは、人物描写に時間をかけるとか、雌伏の時とか、入念な準備とかでは全くない。

ただたんに右往左往しているだけ。

見てる側は、どんな結末に向かっているかはわかっているので非常に退屈、そして苦痛。

まず冒頭の、ジンの幼少期の場面。

辺境の惑星で、身を隠しているジン(フェリシティ・ジョーンズ)と父親のゲイレン(マッツ・ミケルセン)。

そこに帝国軍のオーソン・クレニック(ベン・メンデルソーン)がやってくる。技術者であるゲイレンがデス・スター開発に必要なためだ。

ゲイレンは、ジンを逃がして、帝国軍に連れて行かれる。

もうこの時点で、変な映画が始まったと思った。

ジンと一緒に母親も隠れていたのに、なんの考えがあったのか、銃をもって母親がクレニックに詰め寄る。不意打ちのタイミングもあったのにぼんやりしてると撃ち殺される。なにがしたかったんだろう。

なんだかもっさりした話が始まったといやな予感が漂い始める。

そして、成長したジンの場面。

父と生き別れて十数年後

ジンは帝国軍に捕まり、強制労働に従事していた。

たぶん。 家族を失った孤独な現在という場面だと思う。けれど、収容所には同房のエイリアンがいる。収容所生活はまったく描かれず、そいつとの仲もよくわからない。強制労働の場面はない。ジンの現在の心情がまるで伝わってこない。

それを推し量ろうと観察していると突飛な行動をして、さらに感情移入を困難にしてくる。

囚われていたジンを反乱軍が救出に来る。

ジンの育ての親であるソウ・ゲレラ(フォレスト・ウィテカー)との橋渡しを頼むために。

ジンはなぜか救出に来た反乱軍に殴り掛かって逃げようとするが、ドロイドのK-2SO(アラン・トゥディック)に取り押さえられる。

なぜ助けをぶん殴ったか、明確に説明されることはない。あとあと、育ての親との確執とか、長年のならず者生活で疑心暗鬼になっていたとか、察せはする。でもこの初対面での感じ悪さを抱えたまま序盤は話に付き合っていくしかない。

ソウ・ゲレラは、帝国軍を離反したパイロット、ボーディー・ルック(リズ・アーメッド)を尋問していた。

ジンと反乱軍のキャシアン・アンドー(ディエゴ・ルナ)は、反乱軍の過激派を率いるソウ・ゲレラに会いに行く。

ボーディーは、ゲイレンから受け取ったメッセージを保存したメモリーを持ってきているが、それを確認もせずに、ひたすら疑り深いソウ・ゲレラ。

見ているこっちは、ボーディーがいい奴で、言っていることは本当だと確信しながら見ているので、疑うのさえバカらしくかんじる。

しかも尋問がもう一度行われて、心を読み取るエイリアンが出てくる。 どうやらこのエイリアンに心を読み取られると、脳みそがアレなことになるらしい。そんな説明をされても、あとあとボーディーが再登場すると至ってフツーの状態。

その上、心を読み取った後でも、まだまだ疑うソウ・ゲレラ。バカなのか。

ジンは、ボーディーが持ってきたゲイレンのメッセージを再生してみる。

ゲイレンは、あえて反乱軍に協力し、デス・スターを完成させた。秘密裏に設計上の弱点を作り、リアクターを攻撃すれば瓦解するようにしていたのだ。

こじ付け。 ゲイレンの言いぐさは、どうせほかの技術者でもデス・スターは作れるので弱点付きで完成させたとのこと。

ここの説明も受け付けなかった。

映画冒頭で呼び出される科学者の立ち位置ってそんなレベルなのか。

百歩譲って、ほかの技術者でも作れるってんなら、なんで弱点つけたのは気づかれない前提なんだ?もうわけがわからない。

帝国軍は、デス・スターを完成させ、試射を行っていた。標的は、今まさに、ジンのいる惑星。

メッセージを聞き終わったジンは、異変に気付く、窓の外の爆炎を見て急いで惑星を脱出した。

ソウ・ゲレラは走れない体なのであっさりと退場。キャプテン・ファズマなみの活躍でした。

辛くも脱出できたジンたち。

ジンは、キャシアンにゲイレンからのメッセージについて話す。

しかしすぐには信じないキャシアン。メモリーを確認しようにも、脱出の際においてきてしまっていた。

なんだこの展開。USBメモリー忘れてきましたって新入社員みたいな手抜かりでさらに映画は間延びしていく。

このあたりから集中力が切れて話についていけなくなった。

今は、ゲイレンが問題なのか、設計図が問題なのか、メッセージの内容だけで、弱点については把握できたということなのか、いったい何が課題となっているのかわからないまま話が進んでいく。

ジンたちは、一路、帝国軍基地へ偵察に行く、そこにはゲイレン、クレリックも訪れていた。

キャシアンは、ジンとは別行動をとり、狙撃銃をゲイレンに向ける。秘密裏にゲイレンの暗殺の任も請け負っていたのだ。

序盤から、キャシアンは目的のためなら手段を選ばないさまを散々見せていた。なのにここではためらって撃てない。

でも描写がよくわからない。

ためらったり、雨が強かったり、射線が確保できなかったりと、撃てない理由が多すぎて何を伝えたいのかさっぱりわからん。

そこに反乱軍が爆撃を仕掛ける。帝国軍基地は壊滅状態。ジンとゲイレンは再会できたものの、爆撃に巻き込まれゲイレンは死亡。

ジンたちは反乱軍基地へと戻る。 ここで、ジンとキャシアンが一問答あり。

最初からゲイレンを殺すことが目的だったのかとキャシアンを責める。 結局キャシアンは撃たなかったけど、その様子をジンは見ていなくて、反乱軍の爆撃で死んだ。 この言い合いの争点はどこなのかいまいちわからない。

反乱軍基地で、デス・スターの弱点について話すジン。しかし反乱軍のリーダーたちは罠の可能性もあると及び腰。

ジンたちは単独で、デス・スター設計図の奪取するため帝国軍の基地へと向かう。

相変わらず、設計図はなくてもいいのか、説得のために必要なのかよくわからない。

ジンたちだけでは人数がたりないと思っていると、いままで登場していなかったモブたちが協力申し出る。

なんか、ダーティーワークばかりをしていた後ろめたさが刺激されたとかなんとか言ってたけど、前振りが皆無なモブなので感慨もない。

無名の人々を描くからって本当にモブレベルのやつらが集まっても正直感動なんてない。まだ『バトルシップ』のおいちゃん達の方が前振りがしっかりしてた。

帝国軍から奪った船で基地に潜入することに成功。

機密データを保管する建物に侵入する。

ここで耳を疑うようなセリフがある。

「あのタワーでは機密情報を管理している。おそらく設計図もそこだ」

おそらくかよ。

ここからは画的にはどんどんと盛り上がっていく。白兵戦に、ドッグファイト、巨大戦艦のかち合いと見せ場が続く。

しかし、序盤の鈍重な展開で死んだ心は蘇生できないので、粗が気になって仕方がない。

まず、ジンたちが建物に潜入。陽動作戦で、モブたちが奮闘。

ジンがトルーパーの変装をするけど、背が低すぎてギャグみたいだ。

そして、データ保管庫まで行くと、なぜかデータディスクをとるのにUFOキャッチャーみたいなゲームをする羽目に。

一方、陽動組が頑張っていると、その様子を通信傍受で聞いた反乱軍が援軍を送ってくれる。 援軍が登場したことで、帝国軍はシールドを張る。そのせいでデータ送信ができなくなり設計図を外部に送れなくなってしまった。

グダグダじゃねぇか。

そして、シールドを解除に頑張ったり、通信を回復するためにケーブルをつなごうとするけど絶妙に短いとか、メインスイッチが砂浜のど真ん中にあって銃撃戦の中をつっからないといけないとか、エメリッヒでも驚きの取ってつけた見せ場が続く。

その見せ場のオチもひどい。

たとえば危険を承知で、満身創痍でスイッチを押すなら感動できるけど、

無傷でスイッチを押したら、役割は終わりとばかりに討死。

脚本家が流れで殺したようにしか見えない。

ジンは、辛くも設計図を盗み出し、データを送信する。

帝国軍は、自軍の基地もろとも反乱軍をデス・スターで一掃する。

デス・スターから降り注ぐ光を見ながら、ジンとキャシアンは抱き合い。最期の時を迎えた。

ここでキスシーンがなかったのは、ほんとうによかった。抱き合うのさえ、関係の進展が不足しているとは思うけど、キスとかしてたら目も当てられなかった。

反乱軍はジンの送ったデータを受け取り、名もなき人々の決死の行動により手渡されていき、レイア姫がそれを手にする。

無名の人々の努力が実った瞬間だ。 でも、無名の人々が本当に無名で顔も満足映らないので血の通った感じがしない。そして、最後に受け取るのが血の通っていないレイア 姫(CG)なのがなんだか絶望的な気分になった。

結局特別な奴の物語

本作は、主人公がスカイウォーカーでない、ジェダイではない、フォースを持っていない普通の人間なのが特徴だ。 そんな彼女らがいかに活躍するかが見所(のはずだった)本作。

ラスト10分では無名の人々の活躍が活きていたとは思う。

しかし、本作の主人公に位置するのは普通と呼ぶにはあまりにも特殊な生い立ちだ。 まず、父親は帝国軍の技術者でデス・スターの設計基礎を作った男。兵器開発に良心の呵責を感じ、逃亡。それでも帝国軍が探し回るほどの特別な存在だ。

そんな彼の娘が主人公。幼き日に父親と生き別れになり、その場面で母の死を目撃、父と旧地であった反乱軍の英傑に育てられる。

言ったら怒るひとがいると思うけど、ライトノベルでよく見る設定が渋滞している主人公みたいだ。これを特別言わずしてなんというのか。

もちろん彼女以外は、さほど特別ではない。特別すぎる俳優(主にドニー・イェン)が演じていたりはするけれど、今までのシリーズでは背景になってしまうような人々の活躍が描かれている。

でも中心に立つ彼女があまりにも特別すぎるせいで、作品テーマが霞んでしまう。

こんな特別な人間が命をかけて設計図を奪取するなんて当然の流れというかただの宿命だ。

彼女なんかよりも、帝国に従事してそこから裏切ることを決意したボーディーとか、なんなら最後のリレーの中継ぎの人とかにスポットを当てた方がよっぽど感動的だったはず。

とにかく、あからさまに主人公然とした態度のジンは最後まで好きになれなかった。特に、リーダーきどりで作戦説明をして、当然のようにモブたちに陽動を命じるあたりは、さすが主人公だとおもった。

グダグダなお話に集中力を吸い取られたせいで見逃したディティールもいっぱいあるだろうけど、これをもう一回見るよりは、エピソード7をもっかい見たい。

さらに主人公がよくないという文句

『ローグ・ワン』所詮オレたちモブキャラは特別な奴らの肥やしになるしかないんだ。
見終わっての感想でも触れたんですが、まだまだ語り足りない繰り言を追加。 名もなき兵士たちの活躍...