VR元年に心踊らされ、いろいろ体験してみたが結局VR元年だった話。

存在がSF扱いだったころからヴァーチャルリアリティには興味があった。映画マトリックスを見て、仮想現実についてアレコレ考えたものだ。もしかしたらこの世界はVRなのではないかといった哲学系の妄想や、本当に実用化されるのはいつごろか、一般家庭に普及するのかとわくわくしたものだ。
深夜ラジオ、深夜の馬鹿力を聞いて、伊集院光の話に胸が躍った。PSVRの体験の話だ。「高所恐怖症の人は危ないかもしれない」「VR内の机の上に手を着こうとしてしまった」想像していた以上に技術は進んでいたらしい。

さっそくネットで情報を集める。お台場の未来科学館でゲーム展をやっていた。そこにソニーも出店していて、VR体験ができるようだ。土日は長蛇の列ができて、整理券もすぐになくなる盛況らしい。
いてもたってもいられず、平日にお台場へ、開館時間に合わせて到着したため難なく整理券を手に入れた。意気揚々と体験コーナーへと向かう。3つのゲームが選べる。パーティーゲームとガンシューティング、海洋アドベンチャー。幼少よりジョーズに震え上がり、水族館では水槽が割れる妄想ばかりしている自分としては、海洋体験一択だ。日常では味わえない戦慄体験ができるに違いない。

先客が体験しているのを観察しなら順番待ち。中学生くらいの少年があたりをきょろきょろと見渡ししきりに手で身を庇っている。サメに襲われているのが傍から見てもわかる。かなり期待できそうだ。

自分の順になった。係員の説明を受けながら、丸椅子に腰かけヘッドギア、ヘッドフォンを装着する。このコンテンツは海中探査員になって、ケージごと海に潜るシチュエーションで、自動的に深海へと降りていくケージに身を任せながら周りを見渡すだけのノンプレイコンテンツだ。ゲームとしての操作は全くできないが、目線は自由自在。海中をくまなく見渡せる。

色とりどりの魚や自分がはいた息が泡粒となって登って行くのがしっかりと見える。周りを見ているうちに深度は増して、薄暗くなっていく。すると突然巨大なサメが襲ってくる。ケージの昇降機が故障したのか赤いランプが点滅する。周辺の岩にぶつかりそうになりながらなんとかケージは海面へ上昇を始める。サメがケージに体当たりを繰り返し恐怖をあおる。徐々に鉄枠が歪みはじめついには一面が取れてしまった。あわやというとき、崩れ落ちた岩がサメに直撃し窮地を脱する。正味10分弱の体験だったが非常に満足した。

後日、10分程度の体験では物足りなくなりなにか機器を購入したいと思い立つ。オキュラスリフトやHTCといった名前は以前から知っていたが高価すぎて手が出せない。動作するパソコンを含めると20万円強は必要になるだろう。
そこでスマートフォンを新調することにした。ある程度の性能があればVRコンテンツを動作させられるらしい。値段と照らし合わせ、Zenfone2を購入。それと合わせて中華産の格安VRゴーグルも買った。
中華発送がなかなか到着しなかったり、Zenfoneが初期不良でなかなか動作しなかったりしたが詳しくは割愛。

で、実際に、VRアプリを試したり、Youtubeの360°動画を見たりと使い倒してみた。
悪くはない。悪くはないのだ。
新機軸の映像体験としては非常に興味深い。ライブ映像や、町の探索、スカイダイビングの様子など周りを見渡せるだけで新たな発見がある。しかしながら新しい映像を見ているのであって新しい体験をしているとは言い難い。

その後も、いかがわしい動画を見てみたりしたが、映像体験を超えるものはない。仮想現実とは本来、仮の現実を体験するものであって、映像を体験するものではないはずだ。

スマートフォンだからこの程度の物足りなさなのかとおもい、別の体験会へ足を運ぶ。

秋葉原にてPSVRより高性能なHTC Viveを試したものの現状での限界を感じただけだった。

たとえゲーム性を持たせても、頭にケーブル着きの帽子をかぶらされて、Wiiリモコンを握っていては結局のところ仮想現実には旅立てない。VRゲームをしている自分という現実からは逃れられない。

これ以上の技術革新は結局SF扱いに立ち返ってしまうが、、脊椎にコネクタをつけるイグジンテンズ方式がむしろ現実的な方法に思える。
VR機器を装着しているという事実が、VR体験を阻害してしまう。仕方がないことだけどそれを再認識したVR元年だった。
とはいえ元年は元年だ。VR新世紀にはどんな体験ができるか、それを楽しみ待っている。

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