『顔圧!ニコケイナイト』10/29 ニコラス・ケイジ オールナイトに行ってきた。

イベントレポートっていうか完全に日記です。

2016年10月29日

日ハムの優勝やらに注目が集まっている頃、昼寝から目覚める。昼間からしっかりと睡眠を確保して、池袋へ向かった。

ハロウィンということもあり、駅や列車内でちらほらとコスプレ連中を見かけた。どうせこいつらは、ニコラス・ケイジ主演作『ペイ・ザ・ゴースト ハロウィンの生贄』見たりはしないのだろう。

浅はかな奴らをしり目に、尊い時間を過ごすため池袋に辿りついた。

新文芸坐。入口には立て看板が。『ニコケイナイト』チラシと同じデザインの秀逸なポスター。まるでニコラスとニコラスとニコラスが共演した作品のようだ。色とりどりのニコラスがこちらを出迎えてくれる。

すでに大勢のニコラスファンが詰めかけ、ロビーは超満員になっていた。(願望)

22:15、開場。整理券順に呼ばれ、プレゼントの抽選券を受け取る席に着く。

プレゼントは、ニコケイ飴。名古屋市にある「まいあめ工房」の職人が作ったニコラス・ケイジの金太郎飴だ。1本目の映画上映中に抽選を行い抽選券と交換とのこと。事前の宣伝では、9名にプレゼントと言っていたが、厚意により20名分に増量されたようだ。たしかにこの超満員(妄想)の観客に対して9名では暴動が起きてしまう。立ち見客も大勢いるなか、かなりの倍率だが、期待して待とう。

22:30にスタッフの前説が始まる。ニコケイナイト企画の立役者の方のお話。

大まかにはこんな感じ。

企画を決め、大量のチラシを擦ると瞬く間に捌けてしまった。大いに期待していたところ、客入りは過半数いくかいかないか。なぜでしょう。

経歴のおさらい。『月の輝く夜に』でショーン・ペンとダブル主演。注目の若手となりペンとも親友に。そして、1996年、『リービング・ラスベガス』でアカデミー主演男優賞受賞。演技派俳優として地位を固める。その一方で『ザ・ロック』『コン・エアー』『フェイス/オフ』というアクション大作に連続で出演、まさしくハリウッドスターになってっていく。それによりショーン・ペンが愛想つかせたり、浪費癖で差し押さえを受けたりジョニー・デップに救われたりとゴシップネタが相次ぐ。

その後、コンスタントに出演しながらも、なんだか作品選びがおかしくなっていった。

大スターだった90年代とは毛色が異なる。近年はB級ばかりと思われながらも大小さまざまな作品に顔を出している。そんなか最近の作品の傾向として、ニコケイ(スタッフによる呼称)がひどい目にあっていく作品が多い。エージェントに振られた仕事にニコケイがアレンジを加えているのかと思うほど軒並み不幸になる。まるで作品を通して贖罪をしているかのよう。それを今夜検証したい。

そして今夜の4本。

『ダーティー・コップ』は恐ろしいニコケイが見られる。

『グランド・ジョー』は今夜の安心保証、いろいろあってもグランド・ジョーよかったといっていただけるはず。本当にいい映画。

『コンテンダー』はかなりアレな作品で、なぜこんなものが出来上がったのかよくわからない。とにかくクローズアップが多く、今夜のタイトル、顔圧<GUN-ATSU>はここからとっている。

『トカレフ』は後半からおかしなことになっていくのをお楽しみに。

前説が終わり1本目の上映を待つ。 常識ではありえないことだが、恥ずかしながら『ダーティー・コップ』以外は未見。『コンテンダー』だけは覚悟が必要なようだ。

1本目終映。

『ダーティー・コップ』を見終わると番号が読み上げられ、見事当選。ニコケイアメを頂戴する。

2 本目終映。

『グランド・ジョー』は前説通りに傑作だ。これをスクリーンで見れたのだからそれだけでも参加価値があった。

3 本目終映。

『コンテンダー』前説で覚悟していたのに、それ以上にきつかった。難解でないのに、話の軸がなさ過ぎて、何が起こっているかわからない。この辺りから周囲で寝息が聞こえ始める。

無理からぬことだ。

4 本目終映。

『トカレフ』またもや、お話がみえてこないお話。終わりが見えないので不用意に長く感じられる。客席からは大きめのイビキが、それも気にならないほどに集中できない話だった。

何とか一睡もせずに完走することができた。

外に出ると薄暗い秋の朝だ。駅に向かいながら、ニコラスの夜を振り返る。

『ダーティー・コップ』The Trust

2016・米

ベンジャミン・ブリューワー

アレックス・ブリューワー

IMDb 5.4

Rotten Tomatoes 59%

感想はこちら

『ダーティー・コップ』適役!ニコラス・ケイジみたいな狂人役ニコラス・ケイジ。
『ダーティー・コップ』 The Trust 2016・米 ベンジャミン・ブリューワー アレックス・ブリューワ...

今回で2回目の鑑賞。記憶も新しいままでの再見だけど、まったく飽きることなく見れた。

やっぱりニコラス・ケイジとイライジャ・ウッドの相性がいい。どんどんと狂人を垣間見せるニックにドン引きしていくイライジャのリアクションがとてもいい。大きな目が「何言ってんだコイツ」と物語っているかのよう。車のキーのところはほんと名場面。

ニコラス補正を抜きにすると少しゆるい部分も多い。ブラックな笑いが魅力の本作。パっと見コメディに見えにくいため、シリアスなクライムサスペンスとして見始めると面食らうかも。そのどちらにも振り切れていないアンバランスさが魅力でもあり欠点でもある。

何より、はじめは真面目ニコラスとして登場するのに、犯罪を決意するのが軽すぎる。個人的には最初から狂っていた説を推したい。

『グランド・ジョー』Joe

2013・米

デヴィッド・ゴードン・グリーン

IMDb 6.9

Rotten tomatoes 87%

ニコラス補正なしに傑作。

生きづらさを抱える男と少年の交流に胸を打たれる。その生きづらさは『フォーリング・ダウン』のような怒りの感情で、それが発露する場面はカタルシスともどかしさが混ざったような物悲しさがある。ニコラス・ケイジの近年の大傑作。

心を通わせる少年役のタイ・シェリダンをはじめ、ほかのキャストもすばらしい。ひたすらに怒りを煽ってくるゲイリー・ポールターの演技がすさまじい。演技経験の有無はわからないが、地元のホームレスをキャスティングしたらしい。これだけでアカデミー賞とれるってば。

『コンテンダー』The Runner

2015・米

オースティン・スターク

IMDb 4.6

Rotten tomatoes 26%

前説の通りクローズアップ多め。

たしかにニコラスを語る上で、その素晴らしい顔圧に目が行きがちだ。しかし、クローズアップで顔にばかり執着してしまうということは、ニコラスの素晴らしい動きを見逃してしまうということだ。監督の浅はかなニコラス観に辟易するばかり。

ストーリーも軸が全くない。あちらこちらへ話が動いていくので集中力をそがれる。ノワールのようにそれが面白いというわけでもない。全編にわたって、今がなんのための時間か全くわからなかった。

不倫ですべてを失った男が離婚調停前に別の不倫って意味が分からない。

『トカレフ』Tokarev/Rage

2014・米・仏

パコ・カベサス

IMDb 5.0

Rotten tomatoes 14%

ニコラス見どころとしては、息子のウェストン・ケイジが若いころのニック役で出演しているところ。ただし、ぼんやりとした回想で、セリフも少なく、じっくりとは見せない。

お話は、頑張っているニコラスアクションも、ニックと張り合えるいい顔の役者陣もすべてが無意味になるほどひどい。犯人探しは、何をたどっているかもわからず、何のためになぐり合っているか理解できない。真犯人は、ミステリーとしてありえないレベル。ただ一言、CSI呼んで来いよ、で済む話だ。

以上、4ニコラス。

間違いなく、濃密な時間を過ごした。前半2本は最高だ。特に『グランド・ジョー』はニコラス者以外にもおすすめしたい。

だが後半2本はニコラス者でさえきつい、それが2連続。

次回のニコラスナイト開催(既定路線)の時には、往年の傑作を交えたアタリで固めていってほしいものだ。

ただ、ハズレを含めて、ニックとともに過ごした一夜は素晴らしい時間だったといえる。(そう思わないとやってけないほどトカレフはひどい)

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