『メアリと魔女の花』いろんな意味でポノック。

『メアリと魔女の花』

Mary and the Witch’s Flower

米林宏昌

2017・日

Directed by Hiromasa Yonebayashi. With Hana Sugisaki, Ryûnosuke Kamiki, Yûki Amami, Fumiyo Kohinata. Based on The Little Broomstick by Mary Stewart, a strange ...
レビュー数:3068件 / 平均スコア:★★★3.2点

あらすじ:魔法の花の力で、魔女になってしまった。

おすすめポイント:イイ作画

かなりお話がぼんやりしているので、おすすめするポイントもあまり思いつかず。いよいよもって何が面白いかまるでわからない。

ゴミ映画と断罪するほどは破たんもしていないので逆の面でも紹介しにくい。

予想通り画のクオリティは高いものの、あっと言わせるような画は記憶にない。急速に記憶から消えていきそう。

ジブリっぽいけど、ジブリでない。

スタジオポノック第一回作品。

新興のスタジオの第一作目。それがキャッチコピーになるくらいだから、日本映画界のポストジブリ探しはまだまだ終わらない。新海誠、細田守。そして本作の米林宏昌監督。当人の作風やスタンスにかかわらず宣伝媒体などではジブリを意識した紹介のされ方が多い。

宣伝側はさておき、今の観客が求めてるのはどんなジブリ観なのか。

結局のところ、各々どの程度ジブリや駿やらを期待するかにつきる。

私の場合は、どこまで宮崎駿の作家性を理解できているかは自分でもわからない。

ただ言えることは、一番好きな部分は、尖った部分ではない。自然畏怖するような雄々しいダイナミズムとか、女性のフェティッシュな描き方だとか、宮崎監督の個性によるところではなく別の面から見て宮崎作品が好きだ。

天才性よりも秀才な部分。普遍的なエンタメ要素をしっかりと押さえてくれることに絶対的な信頼感があった。(ただしハウルまで)

活劇的とでもいうのだろうか、「これからどんなお話が始まるのか」非常にわかりやすく期待させてくれた。

宮崎作品は、序盤のうちに明確に目標設定を提示して、それが達成するかどうかで観客の興味を引っ張ってくれていた。

パズーはシータを助けるために、ルパンはクラリスのため奔走する。

メアリも、事件に巻き込まれる立場なのは同じだが彼女自身に何か目的が生じたりはしない。

宮崎作品では、巻き込まれていく過程で自分のなかから湧いてくる目的が生じている。千尋は湯屋に迷い込んで働かされるが、両親を助けるためという目的がある。

メアリにはそれがない。 ただただ、状況に巻き込まれて一喜一憂するくらいで、彼女自身に何か望みがあって行動したり、解決すべき問題があるわけでもない。

中盤を過ぎたあたりでようやく、目的が生まれるが、そのころには大半の観客は映画に飽きてることだろう。 目的が生じるまでが異常に遅いため、観客がどこに集中すればいいか提示されないため非常にお話に飽きやすい構造になっている。そのため、あらすじも説明しにくく、おすすめもしづらい。

メアリは、魔法の花を見つけ、魔力を得たため、魔法大学に迷い込んでしまう。校長に魔法の花のありかを聞かれてとっさに近所の知り合いの少年にもらったと嘘をついてしまう。帰ってきたメアリは少年が校長にさらわれたことを知り、助けに向かう。

そこそこ面白そうな話にも聞こえるが、この時点で映画は折り返し地点。一時間弱もかけて、ようやく始まったといったところ。

また、それ以前も、それ以降もお話に粗が多く、初稿の脚本かと思えてしまう。

魔法大学に迷い込んだ時、メアリは新入生だと勘違いされて校内を案内される。よくある展開だが、他の新入生が来る予定があったなど、説得力持たせようとする工夫がまるでない。

大きな破たんではないものの、どこかかみ合わない場面が多く、先述の初動の遅さと相まって、さらに集中力を低下させる。

後半で話が動き出してからも、それほど巻き返してくれるような面白さも感じなかった。いったん冷めた心はどうにも熱しづらい。

ジブリ、駿に限らず、他のあらゆるエンタメ作品と比べても動き出すのが圧倒的に遅いので、火かき棒を鼻腔に入れてジブリ映画の記憶を消してみたとしても退屈すること請け合い。

もちろん作画のクオリティは高く、躍動感のあるアニメーションが見れるのは保証できる。

しかし、今年『夜明け告げるルーのうた』をみて、画の動き一つ一つがキャラクターの息遣いとなってドラマを盛り上げているのを体感したので、どうにもイイ作画というだけでは心に響かなかった。

もしかして、新海誠がジブリ囚われまくった『星を追う子ども』の後に大ヒット作を作ったので、米林監督も本作を作ったことで、ジブリから解き放たれたのかもしれない。そうじゃないと、それ以外に価値がないんじゃないか。

それと、

序盤にメアリが人の役に立とうとして空回りしたり、ピーターが新聞配達をしたりする場面で、仕事や役割といったものが強調されていたような気がするんですが、どこで回収されたか全くわからないんですが、わかった人いませんかね。そもそも前フリだと思ったのは気のせいですかね。

ネタバレのストーリー振り返り書きました。ぼんやりした話をぼんやり振り返り。

【ネタバレ】『メアリと魔女の花』
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