『ラブライブ! サンシャイン!! 』2期 07 感想:言われたので輝く。

『ラブライブ! サンシャイン!! 』第2期

第07話「残された時間」

1期の終盤から珍奇な話が増えてきて、おかしな展開ばかり。

しかし、今回は不可解さが度を越えて、不快な域に達していました。

常々、花田脚本の日本語使いには違和感があった。

文脈や意図は理解できるが、どうにも租借が必要であったり、解釈が不要に広がってしまう曖昧さがあったりと、とにかく理解するのに思考力が持っていかれてしまい感動できないと思っていた。

だが今回は特段に不可解。 理解に手間取るを超えて、理解できない場面、セリフが多かった。

前回は、「奥義習得回としてどうか」という点に焦点をしぼって、訓練シーンがどうとか、実際の奥義がぴんと来ないとか感想が書きやすかった。

しかし今回は、無数のツッコミどころと不可解なやり取り、キャラクターの一貫性のなさ、ノープランな演出、混沌としすぎていて、何から話せばいいかわからないほど。

もう感想も長くなる長くなる。

前回、秘伝の奥義を成功させ、ラブライブ予選突破。

しかし、入学希望者が集まらず、廃校が濃厚になっていく。 メンバーは最後まで奇跡を信じたいと、希望者受付終了まで寝ずにサイトを見守る。

この時点で無数に突っ込みどころはある。 もともとリアリティはないのを覚悟しているのに、誰しもが気になる点が多い。

その理由は、おそらく、この場面の定まってなさが原因だ。

まず、前回は、目標を達成すべく修行を積みそれが成功するというお話。

これによって、入学希望者100人も達成できるように思えてくる。

にもかかわらず、希望者数は少々足りない。ここで、話が展開せず、朝五時まで見守るという展開に。 多くの視聴者は、この時点で、どんな展開になるか予想できなかったろうと思う。

通常、同時進行であったラブライブと廃校問題は同時に展開するものだが、なぜかタイムラグを生じさせて、長々と結論を引き延ばす。その間は、見守る以外の行動はない。 (待ち時間で、学校への思いを吐露したりとか、廃校への危惧、不安を分かちあったりなど内面上も話は進まない)

早朝5時、時間切れ、入学希望者は98人しか集まらなかった。廃校は決定。 「もう手続きは進められている。これ以上期日は延ばせない」と理事長。

期日を延ばすとかじゃなくて、98人で押し通すとかではないのか。

海外時間か知らないが、朝五時になにやってんだ。中学生が何時に活動すると思ってるんだ。

娘を持つ父親というキャラクターがいたとして、娘の思い入れのある学校を進んでつぶそうとはしないだろう。だからこそ、期日の延長を飲んできたことと思われる。しかし、何故だか今回に限っては、たとえ日本が朝5時だろうと、たった二人足りないだけだろうと即廃校。

普通のパパだったら、「娘に嫌われたくないのに、98って!せめて90切ってくれたら断りやすいのに。ああどうしよう」 と悩むくらいが人の親として適当であるように思う。

そもそもこの場面、尺を稼ぐ以外の意味はほぼない。 予選突破直後に、人数確認→廃校決定と同時進行でほぼ問題ない。 現に、この後の展開で、「廃校をどう受け止めるか」という同じ機能のシーンが続く。(しかも2期1話の段階で同じような場面あったし) 脚本もひどければ演出もひどい。

廃校が決定。それでもライブライブは続けるかどうか悩むメンバー。各人一晩考えて、次の日答えを出すことに。

感傷的な音楽が流れながら、それぞれ気持ちの整理をつける場面が流れるモンタージュシーン。

リコ、ピアノを弾いている。

ルビイ、アイドル雑誌を読んでいる。

カナン、ダンスフォーメーションのアイディアノートを見ている。

それぞれ、スクールアイドルへの思いを再確認しているように見える。

ハナマル、図書委員の仕事。返却された本にラブライブ頑張ってとメモが残っていた。

ダイヤとマリ。廃校が決まって涙を流し、慰め合う。

ヨシコ、中二衣装で物思いにふける。

ほかのメンバーほどわかりやすくはないが、ヨシコのテーマである変身願望を持つ自分と、いまの向き合うべき状況に思い駆られているという解釈はできる。

ほんとうにひどいのがヨウの場面。まったくアイディアが出なかったのかただの棒立ち。

ヨウ、棒立ち。なにを見ているとかではない。どこかのコンビニ前で棒立ち。何を考えているのかまったく想像の余地さえない。せめて場所を部室にすると練習場所とか、いくらでも含みを持たせられたであろうに、まったく無意味な景色の中突っ立っているだけ。

チカ、浜辺で物思いにふける。 察するのは難しいものの、結局はチカの胸三寸で展開が決まるので、結論を保留にするという意味では問題ないだろう。

ただし、このすべてのシーンは、次の展開でまったく無意味なものとなる。

次の日、集合するメンバー、満場一致でラブライブはやめる。学校がなくなるなら意味がないという結論に。

すべては無意味。リコの音楽に対する思い入れも、ルビイのスクールアイドルへの思い入れも、ハナマルが受け取った応援メッセージも、さっきまでのモンタージュシーンに意味などなかった。

それどころか教室でチカを励ます友人(モブ)も何の意味もない。

展開もひどければ、セリフもひどい。

最初は学校のためではなかった。それぞれの輝きを目指していた。

学校がなくなれば意味がない。

論理性など皆無。感情の流れも計りようがない。このシーンは、ただただ展開のためだけに、セリフを吐く。その上、チカ以外のメンバーは自身の考えがないかのように話を進める。全員が、チカの結論のためだけにしゃべっているかのようだ。

チカもチカで、みんなの心情を汲み取って結論を出そうとは毛ほども思っていない様子で、「学校がなくては、輝くことかなわぬ」と自分の決定を押し通そうとする。

で、露骨落ち込み展開からの、モブたちが励ましに来る。

廃校が決まったけど、ラブライブに出てほしい。この学校の名前を残してほしい。

100歩譲って、セリフの内容が重複しまくっていて間延びするのはよしとしよう。見知らぬ顔ばかりをパン撮影でのっぺり映しているのもまあいい。聞いてるメンバーの表情のメリハリのなさもいいとしても、「言われたからやる」なんてのはいいのか!?

受身な主人公というのはたいてい嫌われる。クライマックスの劇的な心の変化が言われたからやるなんてのは許されるのか。自分で導き出せないなんて、ここまで20話分の経験に意味があるのか。

そもそも今までチカはそんなやつだったか。少なくとも1期8話で、自分から気持ちを発露させていったチカとは大きな違いだ。

モブたちの声を受けて、 ヨウとリコは、チカをからかうような声で訊く「やめるの?」

チカは全校生徒の前で宣言する。「優勝して、学校の名前を残す」

「決勝なんて関係ない。優勝する」という語感気持ち悪かったり

「アローでも、ショットガンでももってこい」の意味が5回聞いてもわからなかったり、

「フツー怪獣じゃなくて本当の怪獣になっちゃうかも」自己評価の低さの比ゆ表現のはずが、他者からの評価のようにすげ変わっていたり

あいもかわらず脚本家とは思えない言葉選び。

そんなのは些細なことだ。

問題なのは、ヨウとリコの振る舞い。

こんなタイミングでギャグ要素入れる意味がわからない。この場面においては、ヨウとリコも続けるかどうかを迷っているはずなのに、最初からチカだけが悩んでいたかのように話が進んでいく。

結果チカが決断することで全員がラブライブ参加を決意したような話の流れに。 ヨウとリコに脳みそがあると思えず、チカの外部装置でしかなくなっている。

無印でも、キャラクターを犠牲にして展開だけを進める回は多かったが、今回はそれに匹敵する脚本。ただ展開に奉仕するためだけにキャラクターがいる。そしてそんなキャラクターに血が通うはずもない。

今回でチカは自分の意思をもたないゾンビへと成り下がった。留学に行くコトリくらいに思慮が浅い。

それにしてもモブたちも、教室で「本大会期待してる。全力で応援する」って言って時、内心では(こいつら絶対廃校言い訳にして辞退するから明日あたり発破かけないとまずいな)とか思ってたのか。

口ではいいこと言っている風だけど、その実は、応援こそすれ、自分たちでは廃校を防ごうと活動したり、入学希望者を増やそうと努力するような様子もない。都合のいいときだけ登場して「私たちのために」なんて一方的に要求してくるとは都合が良すぎる。チカが決断するのも100%鵜呑みにして自発的な思考を伴わないので、モブたちが意見を押し付けているようにしか見えない。

どの切り口から見ても一箇所としてまともなところがない。 八甲田山を易々と越えた回。すくなくともサンシャインではワースト回といえる。

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