『ラブライブ! サンシャイン!! 』06 セットには廃校がついてきます。

『ラブライブ! サンシャイン!! 』第06話「PVを作ろう」
あらすじ:廃校を阻止すべくPRビデオを撮ろう。

まさか、もう、まじで、まさかの廃校の危機。

なんということでしょう。
てっきりラブライブは、スクールアイドルを描くシリーズかと思いきや、スクールアイドルと廃校までが抱き合わせでついてくるようだ。

確かに、シリーズ通しての目標設定がないぶん物語の推進力は弱いかもしれない。
しかし、今のところは、メンバー集めという名目のもと、各キャラの成長物語として十分興味を持続することはできていた。
にもかかわらず、廃校させる必要があるのか。
いつもどこかで廃校の危機ってのはどっかのギャグ漫画にありそうな世界観だ。

前回前々回ともに、キャラクターを軸に話を転がすことによって、リアリティない世界で安定した物語が描けていた。
打って変わって、今回はただでさえ廃校になる雰囲気のない学校。金にモノを言わせる系女子の理事長。前シリーズと全く同じ展開。
これは危機感というより天丼ギャグになってしまう。

しかし、前回同様、リアリティのなさを逆手にとるかのような露悪的な場面があるのも興味深い。やはり、最近の花田十輝は一皮むけた感がある。

↓ネタバレ感想↓

廃校の報に驚く面々だが、リーダーは驚愕のリアクション。
廃校キタコレ。
まじでいっさいの動揺もせずむしろ高揚感に胸躍らせていた。
機は熟したとばかりに、かのμ’s とおなじ境遇に武者震いしている。

ほかのメンバーも歓喜さえしないが、それほどショックではないご様子。
政治ニュースのような受け取り方をしたり、むしろ都会の学校に行けるかもと好意的なリアクションだった。

リアリティのなさを露悪的な逆でうまく処理できている。
また廃校かよ、との突っ込みは百も承知とばかりにリーダーはテンションが上がり、動機づけとして昇華し、愛校心の薄さも花丸田舎ギャグで煙に巻いている。

シリアスの強弱がおかしかった花田とは打って変わって、リアリティのない問題はライトに扱うというバランス感覚が身についている。ますますもって脚本家みたいだ。

後半はいつもの詰めの甘さが散見される。
PVを作ろうと、町の何か所かを紹介するが、秋葉原同様に実在感のある人間は出てこない。終始、緩めのギャグシーンとして出てくる。
にもかかわらず出る結論は、

ここにはたくさんの人がいる。

田舎の良さはそこに住む人にこそある。そんなのはありふれた結論だが、そこに到達するまでが難しい。
わずかな時間で、数人の人を描いて、町全体でそれ以上の人間が生き生きと生活しているよう描かなくてはならないはず。

今までいなかった有象無象が現れたところで感慨はない。
まだいきなりテリーマンが出てくるほうがテンションあがるのに。

感動させ損ねてはいるものの、今回シリアス濃度が極限まで薄いためさほど気にならない。
なにより、前回の中二病のさばき方と廃校問題のさばき方、どちらもメタフィクションに片足を突っ込んだ露悪的な開き直りがうまく機能していた。
『LOOPER/ルーパー』での「タイムパラドックスのことはいい」に通じるものがある。
攻めすぎると作品そのものがどうでもよくなってしまうが、今回はギャグテイストもあっておおむね成功ではないだろうか。
まるで脚本家の手腕だ。

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