『最後のジェダイ』「破壊」も「継承」もできちゃいない。

『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』

Star Wars: The Last Jedi

2017・米

ライアン・ジョンソン

Directed by Rian Johnson. With Daisy Ridley, John Boyega, Mark Hamill, Carrie Fisher. Rey develops her newly discovered abilities with the guidance of Luke Sky...
In Lucasfilm's Star Wars: The Last Jedi, the Skywalker saga continues as the heroes of The Force Awakens join the galactic legends in an epic adventure that unl...

激賞にも、酷評にも値しないくらいのゆるさ。

アレなとこも多いですけど、スターウォーズの平均値ってこれくらいじゃなかろうか。脚本面でポンコツなところが多すぎ。そのせいでメッセージや含意にもズレが生じているため、シリーズとしてどうのと論じるには値しないと思った。

それでも、エピソード2みたいに、アレなお話の上に画面がノッペリしたCGまみれといった、どこを見ても悲惨というほどではない。少なくとも映像には満足した。惜しむらくは、お話として盛り上がらないため、かっこいい画のすべては、それと同時にもったいない画だという悲しいところ。

のっけから、なんだか混沌とした話運び。ローズ姉の奮闘とか、宇宙で爆撃とか、結局ポーに教訓を与えるためだけの展開が結構長めに続く。

そのとき、ポーののるXウィングの武器が回路の故障で使えなくなってしまう。そこで、同乗するBB-8がチェックしてみると、回路が断線して漏電している状態。そこでBB-8がそこを抑えると、別の部分が漏電。さらに抑えるとまた別の、、と完全に潜水艦で水漏れしたときにヤツ。

なかなかゆるい映画が始まったと思った。

ゆるいだけならまだしも、いろいろとグダグダした展開が多い。 でもそれも、大河ドラマのハズレ回だと思ってゆるーく見れた。大きく期待をしなかった分。失望も少ない。

無駄にしか見えないカジノ星の場面も、まあクローンウォーズとかの1話を見るようでそれほど悪いとは思わなかった。

もちろんDJが本当に偶然であったやつだったとか、駐禁のくだりとかは、気持ちが折れかけたけど、 フィンとDJの会話は戦争映画として深みをますいい話題だったと思う。

紫ババァことローラ・ダーン提督。 べつに敵をだますには味方から、とかではなくただ単に話さなかっただけ、ポーが嫌いとかならまだ納得できるけど「彼は好きです」とか言う始末。

映画としては2回の鑑賞に堪えられない類の展開だ。

シックスセンスだって、2回目見て、ラストへのつながりに感動できるってものだけど、 本作は後から意味がなくなっていく類のどんでん返しなので見ていて辛い。ホルド提督の行動は、一見無意味そうでその実無意味。1回の鑑賞でも無意味を実感し、翻っても無意味だと痛感。

フツーは登場人物の隠された真意を知ったあと、思い返すと、腑に落ちるものだけど。

クライマックスのルークの行動にしても同様。どんどんと意味をなくしていく。

要塞内追い詰められて反乱軍を助けにきたかと思いきや来ていない。

「彼が来たということは抜け道があるはずだ」来ていない。

自分のせいで闇へと落ちた弟子にけじめつけに行く。来ていない。

全盛期以上の剣戟シーン。来ていない。

でも死ぬ。 じゃあ来てもいいじゃないの。でも、来ていない。

こういった欠点のせいで、思い返すほどによくなかった気がしてくる。

一箇所納得のいく部分もあって、

それはカイロ・レンがいったんライトサイドによったかと思ったら、スノークを殺すためにレイを担いでいたことがわかるシーン。

ここは2回見ても納得できる流れだと思う。

まあ見終わった直後はゆるいなりによかった気がしていても、思い返すと無意味なことに気づかされる。まるで人生みたい

そんなこともあって、全体像としては間違いなく悪いので、よかった探しをせざるを得ない。

しかし、そんなよかった探しも難しいものではなく、よかったところはたくさんある。それも間違いない。

つまり、いいところがたくさんあるダメな映画といったところ。

個人的な一押しは、前回がっかりさせられたあいつ。銀ピカキャプテン。前回がっかりしただけに、今回は一挙手一投足に笑う。出てきただけで笑う。一声発したらもう笑う。近作がコメディテイストなったおかげで一番得をしている。前回まじめにがっかりさせてしまったものの、それをフリとして活かし、ヘたれキャラとして見事にメタモルフォーゼを遂げている。ライアン・ジョンソンはコメディを撮ってほしい。

とまあ、ゆるいできのものをゆるく楽しめばいいとは思うけど、ただの凡作であることを許されないのがスター・ウォーズというビッグネームの厳しいところ。

できの悪さには弊害も出てきているように感じる。 特に、「いままでのスター・ウォーズ」は破壊されたのか否か。

わかりやすい場面では、カイロ・レンがスノークを殺して、旧きを葬り去りすべてを新しく作り変える宣言をする。

わかりにくい方は、ヨーダの零体が登場して、ジェダイの歴史書を燃やしてしまう。

歴史を葬り去っているのに、言ってることは、弟子に継承し、師を越えさせるのが師匠の役目だとか言っている。若干腑に落ちない。

師匠が師匠として、その役割に気づくならまだしも、大師匠が中師匠にそれを諭すという、結局それは師匠からの継承じゃないのかと。

そのうえ、ジェダイの書は、レイがこっそりファルコンに持ち込んで保管している。(最後のフィンがローズに毛布をかけようと開けた引き出しの中にある)

燃やし損ねている。

そして、劇中、革新を宣言するカイロ・レンとジェダイの継承者(ジェダイの本を借りパクした)レイの決着はついていない。

にもかかわらず、「いままでのスター・ウォーズ」が死んだとかの議論がされるのは早計に思う。

お話上は、まだ決着がついていないはず。 もちろん、レイの継承の物語のほうが圧倒的に出来が悪く飲み込みづらいため「いままでのスター・ウォーズ」はヨーダの雷によって消えたみたいに見える。でも本は無事。

できの悪さゆえに無用な議論を生んでいるんじゃなかろうか。

三部作の二作目なだけに、それはまだ保留だと思うのだけど。

それにしても、それを纏め上げるのがJJ。まとめかたがアレなJJ。どうなるエピソード9。どうなるJJ。それでも僕らは2年後また見に行ってしまうだろう。ディズニーのフォースの導きのままに。

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