『ジェイソン・ボーン』見るに堪えないのではない。見ることが出来ないんだ。

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『ジェイソン・ボーン』

Jason Bourne

2016・米

ポール・グリーングラス

IMDb 6.9

Rotten Tomatoes 56%

不可

あらすじ:ストリートファイト疲れた。

ザックリと感想を

なにも理解できなかった。それが率直な感想です。

筋道のわからない話。目的も定まらないまま行動する主人公。

話がわからないだけならまだしも、映像のすべてが理解できない。

カーチェイスはどこを目指して走っているかまるでわからないし、

尾行場面は互いの距離も歩いている方向もわからない、

格闘シーンは何発殴ったかもわからない。

とにかく、カメラが揺れに揺れてどこを映しているかわからない。さらにはカット割りが細かすぎて意識が追いつかない。上映中は、ひたすらに早く終わってほしいと願うばかりでした。

目的は、あとからついてくる

シリーズ一作目は、記憶喪失の男が逃亡しながら真実を探るという非常に単純な話で、そのうえで陰謀論の味付けがされていた。

今回は、まったく下地となる話がなく、陰謀論を調べていたら、たまたまそこに目的が生まれるという、人生哲学のような話運びだった。

ストーリーの出だしでは、全く主人公のジェイソン・ボーンに目的がない。しかし昔なじみから得た情報を探っていくうちに、たまたま、自分のアイデンティティに関わる秘密を掴むのだ。そもそも、アイデンティティうんぬんは、『ボーン・アルティメイタム』ケリが付いていたはずだ。

すべての展開がそのようにあとから目的がついてくるような行き当たりばったりで進んでいく、

たまたま暗殺現場に居合わせて阻止したり、

逃げてる途中で工作員をみかけて追いかけだしたり、ボールを追っかける犬みたいだ。

ボーンの魅力は狡猾なまでの周到性だと思っていたけど、今回のボーンは、チーム・アメリカに出てくるマット・デイモン並に頭が悪い。

何が映っているかわからない

ちょっとした会話シーンでもカメラがゆらゆらと揺れている。

映画研究会が三脚の費用を捻出できなかったのか、常に安定することはない。

それどころか、人物が右側からフレームインしてくるのを見越して、左側にカメラを向けておくことで揺れ幅確保しておくという無駄に工夫された無駄な動きが無駄に付け足されている。

アクションシーンはさらに揺れすぎ、カット割り細かすぎ。一発殴るごとどころか、挙動一つ一つで切ってたくらいに細かに、動体視力の限界に挑戦でもしているのだろうか。

そもそも出来が悪い

すべのシーンに欠点がある。

わかりやすいところを挙げると、おんなじフラッシュバックシーンが4回も回想されるというまどろっこしさ。

CIA本部の場面になると律儀に本部の空撮が挿入される。覚えてるだけで3回はあった。

醜い映像も含めて、およそプロが作った映画とは思えない。

無理矢理にでもおすすめする点を上げるなら、その前衛的映像に脳みそ麻痺していく感覚は他では味わえない。

アクションシーンは何が映っているかはわからないけど、結果として、車がいっぱい壊れているので、把握できなかったけど迫力があったという謎の感想が生まれる。しかしフツーには楽しみようのない駄作。

でも、これで安心して、トリロジーボックスが買えるね!

↓ネタバレ感想↓

※注、思い出してない

「すべて思い出した」というセリフとともに、過去3作のおさらいフラッシュバック。

正直、見返してないからまったく理解できない。直近で3作見た人でない限りは頭に入ってこない。説明がしたいのかしたくないのか、どっちなんだ。

そして、今回のお話、思い出したって内容が実は違いましたって話だから、「すべて思い出した」ってただのボケのセリフみたいだ。

最後にはみんなで、思い出してねぇじゃねーかとツッコミましょう。

ボーン(マット・デイモン)は、裏社会に身を隠しながらストリートファイトで日銭を稼ぎ放浪していた。

アルティメイタムのラストシーンであらたなアイデンティティを獲得したと思われていたボーン。

しかしそんなことはなかった。 根なし草はいつものことながら、アンダーグラウンドのストリートファイトではした金を稼ぐ日々。

白髪交じりで、殴り合いも体に堪えているようだ。

過去3作で、成長(自分を取り戻した)ヒーローとは思えない現状。続編で一番見たくない様を見せてくれる。白髪が少しはいったマット・デイモンはかっこいいけど、別にボーンとしてってわけじゃないからどうでもいい。

ここまでの場面は別に後半で活きてきたりはしない。ただ一言で済むレベル。

最近、もう歳だな。

ニッキー(ジュリア・スタイルズ)は、CIAにハッキングをかける。

トレッドストーン作戦の情報を見ると、ボーンの父が関与していた可能性があるのに気づく。

この場面が本作のすべてを物語っている。

目的の情報を得るためにハッキングするのではなく、ハッキングしたらたまたま主人公のアイデンティティにかかわる(過去作を台無しにする)情報が入っていたのだ。

目的はあとからついてくる。

ニッキーはトレッドストーンの真実を知らせるためボーンに接触する。

接触できているのになぜか一度別れて、別の場所で会う約束をする。

しかも、人目に触れる場所で人目を欺くため人目がめっちゃ多いデモ活動中に会おうとする。

なんで?

CIAはハッキングを検知していたため、ニッキーの後を追い、ボーンとの密会を見張っていた。

最初の接触の方が一番安全だったじゃん。

ニッキーはアホの子になっちゃったの?

ボーンとニッキーは、追っ手のCIA工作員に気づき逃げ出す。

逃走中、ボーンと因縁のある“暗殺者”(ヴァンサン・カッセル)が狙撃してくる。

なんとかボーンは身を隠すが、ニッキーは射殺されてしまった。

ニッキーが持っていたUSBメモリをもってボーンは姿を消した。

女優入れ替えのお知らせ。

プロデューサーがくわえ煙草で「若いほうがいんじゃね?」とか言ってそう。

シリーズファンとしては、ニッキーが使い捨てされたようにしか見えない。

一応死の瞬間は強調されてはいたものの、以降劇中で思い出されたりはしない。 てっきり、ヴァンサンとの対立関係が描かれるかとおもったら、ボーンはヴァンサンの顔も知らないしね。(この時点で)

それと非情なプロフェッショナル描写なのかしらないけど、ヴァンサン人殺しすぎ、地元警官が大量に銃殺されてたら国際問題になるだろ。

ヴァンサンがボーンに執着するのは、過去作でのボーンの暴露で、潜入捜査中に囚われ、2年間も拷問されてたから。そのためボーンに復讐心を抱いている。

この関係性も後から意味が付け足されていく。

恨みをもった奴に、意図的に暗殺を命じるのはわかる。

しかし、あとあと、ヴァンサンが、ボーンの父親を殺したことが発覚する。偶然なのかもよくわからないまま因縁の関係が出来上がっていき、 父親の件がわかった段階で、ニッキーを殺されたことはほぼ忘れられている。

そもそも、ボーンは、ニッキーを殺したのがヴァンサンだってしらないままじゃないか。(見落としたかもだが)ほぼ無駄死にだ。

CAIのキャストの若返りで投入されたヘザー(アリシア・ヴィキャンデル)はボーンの資料を読み漁る。

専門医の見解によると「ボーンは根っからの愛国者で目的を求めてる」

それを見たヘザーは、ボーンがCIAの役に立つ、復帰させるべきだと考え始める。

しりょうをよくよんだから!別に新事実とか隠ぺいされた真相を知ったとかではない。

要約すると「専門家がそう言ってたから」

なんやかんやあって

ベルリンに立ち寄って、

ハッカーにUSBを読み取ってもらい、

それが信号となってCIAに居場所がばれたけど、

ヘザーが事前に教えてくれたから逃げることができて、

見つかった情報から元CIAがロンドンにいるのがわかり、

そいつに会って、真相を聞いてみたら、

トレッドストーン作戦に父親がかかわっていたことが真実だとわかる。

作戦を知った父は、ボーンが関わることを阻止しようとした。

それによりCIAにテロに見せかけて暗殺されていたのだ。

その暗殺を実行したのはあの“暗殺者”。

暗殺を指揮したのが、現CIA長官ロバート・デューイ(トミー・リー・ジョーンズ)だとわかる。

ボーンは、ヘザーの協力を受けながらデューイ長官のいるラスベガスへ飛ぶ。

一方、ラスベガスでは

CIAと協力関係にあった大企業のCEOアーロン・カロール(リズ・アーメッド)は、デューイの横暴ともいえる要求に、協力関係を解消し、さらには内情を暴露しようとしていた。

デューイはそれを防ぐため、イスラム系テロリストによる暗殺に見せかけ、カロールを暗殺しようとする。

“暗殺者”が狙撃の任を与えられる。

関っ係っない!

別に、ボーンに暗殺の容疑をかけるとかではない。

ボーンの過去に関する真実と、カロールが暴露しようとしていることは完全に別件。

そしてたまたまベストタイミングでボーンがベガスに来る。

ご都合主義を通り越して、何か超常的な意思を感じる。

ただただ脚本が雑なだけですが。

カロールが会見しようとしていると、たまたま、デューイを探していたボーンが現れ、なんとなく暗殺に気づいて阻止。

狙撃位置まで知ってたのかと思うほど簡単に撃退する。

狙撃に失敗し、逃走する“暗殺者”

逃げたら、カメラに映る。そしてカメラの前で発砲、殺人。無能。圧倒的無能。

ちゃんとCIAで新人研修とか受けたのか。

ボーンは、デューイを追い詰める。

デューイが銃を撃とうとしたさなか、潜んでいたヘザーが現れ、デューイを射殺。

CIAが集まってくるので、ボーンは逃走。

そんで 逃げると“暗殺者”を見かけたのでとりあえず追いかける。

で倒す。

偶然とか、話運びとかいろいろなものを超越しているのでくらくらしてくる。

“暗殺者”を追いかけカーチェイス。

ボーンシリーズらしい狭い路地や、小回りでの迫力とかではない。大通りをハマーで突っ切る。(ハンビーかな?)大味としか言いようのないカーアクションだ。ヴィン・ディーゼルと張り合おうとしているのか。

それにしてもラスベガスのだだっ広い道を走っているのに、撮影編集がごちゃごちゃで何が起こっているのかまるでわからない。

とりあえずトムとジェリー状態なのはわかった。

カーチェイスの終幕は、 並んだ道路の高低差を生かし、ボーンは、“暗殺者”の車に、突っ込むかと思ったら、そのまま車ごと乗っかる。

なにがしたいんだ

で、車から降りて戦う二人、もちろんよく見えない。

殴りあう。

殴ってる映像はよく見えないけど音はするから多分殴ってる。勝っているのは、映画の流れ的にたぶんボーンのほう。

最後に立っていたのはボーンのほうだからボーンが勝ったんだ多分。

よくわからないけど、ボーンがつよかったとおもいます。 マジで何が映ってるかわからない。ビデオ判定が必要。

後日 ヘザーは、CIAの新長官と話す、 色々あった。ボーンは使える。私は信頼されてる。役に立たなきゃ殺す。

ヘザーはボーンを捨て駒として考えていたようだ。

ボーンはその会話を盗聴して聞いていた。ボーンはCIAに戻る気はない。

ラストシーンは、ぼんやり、公園を歩くボーンで終幕。

その向こうに見えるオベリスクに何か意味合いを持たせたいのかもしれないけども、こんなポンコツ話では考えるだけ無駄。

アルティメイタムの素晴らしいエンディングとは比べるべくもない。

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コメント

  1. MASH より:

    全く同感でした。
    マット・デイモンがボーン・シリーズの最高傑作と宣伝していたので、ちょっと期待していたのですが、お話にならない迷走ぶりでしたね。
    自分もブログ記事にしようかと思っていたけど、メキタさんの記事を見て、言いたいことを全部言ってもらった感じなので、記事に起こすのもやめにします。
    (記事を起こす気力も萎える出来でした)

    他とは一味違う味のある映画レビュー、これからも楽しみにしています。

    • メキタ より:

      コメントありがとうございます。
      いままで貶してきた映画が、ちゃんと目視できる映像だったと知ることが出来ました。いままでの映画生活が充実していたことを省みるいい機会になりました。