『インデペンデンス・デイ: リサージェンス』熟練した監督とでも思ったか!俺だよ!エメリッヒだよ!

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『インデペンデンス・デイ: リサージェンス』

Independence Day: Resurgence

2016・米

ローランド・エメリッヒ

IMDb 5.5

Rotten Tomatoes 32%

あらすじ:もっかい。

前作の思ひ出

前作は、素直にに言って大好きな映画です。

中学生のころは「完ぺきな映画だ!」と熱狂し、

余計な知恵がついてからは「突っ込みどころは多いよね」となり、

「バカ映画だよね」となった今も、隠れてこっそり見るくらい大好きな作品となっています。

ウィル・スミスは最高に格好いいし、ジェフ・ゴールドブラムは知的でクール。

大統領は史上最高。デイビッド・パーマーもジェイムズ・マーシャルもかなわない。

演説に涙し、エキストラとシンクロして敬礼し号泣したものです。

ラッセルの特攻は映画史に残る名場面。

ウィルスの原理だって気にならないくらいの傑作。

ユナイテッドとしまえんのレイトショーで鑑賞。

ザックリと感想を

前作の郷愁を抱えつつ見に行きましたが、何もない。思い出に浸ろうにも、原点にリスペクトがない。(本人が監督なのかすらあやしい)

個別の作品としてもポンコツで設定も話も頭に入って来ませんでした。

もはや未来が舞台、どの程度の未来かはわからない

前作で宇宙技術を手に入れた架空の現代が舞台。

もはや地球に宇宙人が侵略してきたという普通のインベーションものとして成り立っていないため、緊張感がどれくらいなのか伝わってこない。

土星にも基地があるとか言ってたけど、どの程度の宇宙進出を果たしたのいまいち説明されないまま、もっかい宇宙人がくる。

世界観を把握する間もなくわーきゃー始まっちゃう。

おおあじ!エメリッヒ、ひつものやつ

ディザスターシーンも、大味すぎてひっ迫感がない。

2012の時もそうだったけど、エメリッヒだけ近年の災害などは経験していない別次元の人間なのかと思えてくる。

もはや地球に大切な命があるとは思っていない様子で、まったく心に訴えかけない。

前作のホワイトハウス吹き飛びみたいなキャッチーな場面もなく、凡庸な破壊シーンばかり。

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まとめると

脳みそ空っぽにしてみるべきジャンルだが、それもできないくらい話がテキトーすぎる。

何が起きているかはかろうじて把握できるが、何のためにそうなっているかがわからない。

その上中国資本の毒されすぎ。

年号は現代だが、エイリアン技術が席巻し近未来SFといっていい世界。中国企業が台頭したり、中国人パイロットの活躍は現実味がある。

でも、月基地で牛乳を注文すると、メーカー名までしっかりと読み上げて、パッケージをしっかり見てから手に取るのは現実味のかけらもない。こんなとこでもマイケル・ベイと張り合っているのだろうか。

前作をもっかい見たほうが楽しいし、気分がいい。

↓ネタバレ感想↓

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前作から20年後、地球はいままでにないくらいに平和になっていた。

宇宙人テクノロジーの運用に成功し、重力制御が可能になり、宇宙進出が容易になった。先の戦いで団結し、世界中の紛争もほぼなくなったといっていい。

月基地や、軌道上の防衛システムなど、宇宙からの脅威への準備も万全。

もはや人類の抱える問題は宇宙人だけとなったのだ。

訃報、ウィル・スミス逝去。

伝説の英雄ヒラーは、テスト飛行中に事故死してしまう。

忘れ形見の息子ディラン(ジェシー・T・ユーシャー
)は、父の遺志を継ぐかのようにエリートパイロットの道を歩む。ホワイトハウスには、肖像画が飾ってある。

登場はこれだけ。ウィルもしょんぼり

さすがエメリッヒ、群衆に愛がないのはわかっていたが、自作のメインキャラにも愛がない。ウィル・スミスと喧嘩別れでもしたのかと勘ぐってしまう。

実際はスケジュールが合わなかっただけ(スーサイド・スクワッド)なんだから、外宇宙の探査船に乗ってるとかいくらでも延命はできたはずなのに。決死部隊に参加中なだけに、命知らずのミッションに参加しているとかにしてほしかった。

ヒラー大尉のご冥福をお祈りします。

前作の大統領の娘も登場。

パトリシア(マイカ・モンロー)は、父に習いパイロットとなり、いまは転身し政治の道を歩んでいる。

彼女の婚約者ジェイク(リアム・ヘムズワース)が本作の主人公。

じゃないほうヘムズワースでおなじみのリアム。

全然悪い役者じゃないのに、クリスじゃないだけですこしがっかりしてしまうのは、彼のせいじゃない。彼のせいではない。

ただし、本作ではそのがっかりに見合う。残念なキャラクター。

パイロットの腕はあるものの訓練中の事故でトラウマがある。このにより、ヒラーの忘れ形見が死にかけ、彼に恨まれている。現在は、月の作業機を飛ばして過ごす日々。

このトラウマ克服話が本筋にからむかと思ったらまったくそんなことはない。

技術は全く衰えていないし、態度はでかい。命令無視で活躍して、さらに増長する。なでこんなに態度がデカイんだ?兄貴が雷神だとでも言うのか。

伝説の大統領トーマス・ホイットモア(ビル・プルマン)は、宇宙からの信号をキャッチして、再侵略の予感。宇宙人刑務所へ出向いて。尋問しようとか言い出す。

前作で取りつかれた博士も登場。

なんと20年間昏睡状態だったらしい。

その割にふっくらして血色よさそうだが、未知の医療技術でもあるのだろう。20年間甲斐甲斐しく看病してくれたのは博士仲間。

明言はされていないが、この博士二人はゲイのカップル。20年そばを離れないレベルの親密さ、手編みのセーターをプレゼントするのはただの友人ではないはず。キスシーンこそないものの、この二人の場面はけっこうな尺が設けられている。

まったく記憶にないけど、前作で博士がゲイだって描写はあるのか。

エメリッヒがいつごろカミングアウトしているか情報が見当たらなかったが、最近心境の変化でもあったのだろうか。LGBT映画『ストーンウォール』の製作もしているし。

アイザックス博士(ジェフ・ゴールドブラム)は、宇宙人の専門家として国連に所属し調査などを行っている。前回の宇宙船が動き出した原因を調査すると、救難信号がでていたことがわかる。

アバンタイトルでも同じような描写があった。救難信号とホイットモア大統領の演説を受信するエイリアンの描写。

1回でわかることをネチネチ捕捉されてテンポが悪くなっている。観客はどうせもっかい侵略されるとわかっているのに、前作の状況を宇宙人が知るという説明を2回も見せられる。

元大統領のおかげで、捕虜宇宙人の尋問に成功。

「彼女がくる」

どうやら女王蜂のような存在が地球に向かっているようだ。

完全に、彼女をやっちまえば片が付くと言っているようなもの。ダチョウ倶楽部もかくやというネタふり。

すると、土星基地が壊滅したとの報。

土星までいけるのかといまさら知らされ戸惑うばかり。ガンダムみたいに宇宙移住ができるレベルなのか。

でもこの後の展開は、すべて地球に移るので関係なくなる。

さらに月の巨大宇宙船出現。

月基地はすぐに迎撃準備、国連に先制攻撃の可否を要請する。

理事国のは満場一致で賛成、米大統領の命令により、月にきた宇宙船を吹き飛ばす。

対話もなしに攻撃を選択するあたり、アメリカは変わらないというエメリッヒの風刺なのだろうか。

しかも攻撃後の大統領のセリフが「いい選択だったと思いましょう」女性大統領ながらブッシュジュニアがいいそうなことだ。「歴史が評価するだろう」に近いものを感じる。

というか、あとあとの展開で、間違いだったとわかるけどね。

そのあと、後続のバカデカイ宇宙船が出現。地球半分を覆う規格外の大きさ。

作中の描写でも、重力が発生するくらいのでかさらしい。前作同様、シールド完備でまったく攻撃を通さない。

一方主人公は、だれの命令も許可も得ずに、月を出て地球へ向かい、アイザックス博士を回収して月に戻る。撃ち落とした方の宇宙船の残骸からコアのようなものを回収し月を脱出。

月基地は全くシールドが破れず、そのまま壊滅。

巨大宇宙船はなにごともなく地球に向かい。各都市を蹂躙していく。

ここでエメリッヒジョーク。ロンドン橋が粉砕されるのをみながら

「観光地は狙われやすい」

もはやそこに人間がいるとは思っていないようだ。

世界各地で壊滅的被害を受けながらなんとか、航空部隊を編成し、核攻撃を仕掛ける作戦とたてる。

この時点で、まだ中盤に差し掛かった程度。

母船まで特攻するといっていたが、どうせ失敗するのが目に見えている。(時間配分的な意味で)

シールドが張ってあるはずの母船の中に入り(入れる時点で罠と気づくべき)核を爆破、しかし、ミサイルをシールドで包まれ、まったくダメージはない。

映画の見すぎだけど、中盤にこんな最終攻撃展開を入れられても、映画のリズム的に失敗するに決まっていると思ってしまう。

驚きもしないし、悔しいとも思えない。

最終攻撃ではなく、一つの防衛線として見せ場をつくるとか、見せ場の種類を考えた方がいい。

いっぽうそのころ(ここまで、いっぽうそこのろ感が強い、いっぽうそのころは無いくらいにいっぽうそのころ)

沈没船のを調べていた海洋探査船が、宇宙船の行動調査に協力する。どうやらマントルまで掘削をしている様子。

中盤になっていきなり登場するため、お前ら誰だ感がすごい。
しかも、終盤、マントル到達までの時間をカウントダウンするだけで、ほかに役目はない上に、その後は一切登場しない。

エリア51で、撃墜した方の宇宙船の調査を進める。コアが起動し、対話が可能に。
なんとこちらの宇宙人は友好的な別の種族だったのだ。
地球侵略中の種族との戦いに敗れ、知識だけをヴァーチャルな人格として保存し、地球人に警戒を促すために月まで来ていたのだ。

なんていい人。

そして撃ち落とす野蛮人。こんな種族は滅びてしまえばいい。

イイ者宇宙人の情報によると、星の核まで穴を掘って、エネルギーを吸い出すのが目的らしい。

掘削がマントルに到達すると地球は崩壊する。

これはタイムリミットがわかりやすくよい設定だと思う。(もちろん原理は不明)

余談:戸田奈津子字幕、掘削<ドリル> なっちは中二に目覚めたのか。

またこのイイ者宇宙人の意識が保存されているコアを、侵略者は脅威だと思っているらしく、これを探しているのだ。

そこから、コアが発信している電波を偽装して、おとり作戦に出ることにする。

おとりとして、船内部に侵入するため、自爆攻撃しか手はない。パイロットは犠牲となるしかないのだ。

この最終作戦を前に、新大統領が演説し、世界中に流れる。

肌の色も人種も関係なく、地球のために祈ってほしい。

対話もなしに、イイ者宇宙人を撃墜した人類のお言葉としてはどうなのか。

対話なしに分かり合おうとしない現代の民族紛争を嘆いているのかエメリッヒ。

捨て身の作戦のパイロット選出。

その時、名乗り出たのは我らが大統領。トーマス・ホイットモア。

ケリをつけるため、髭をそってパイロットスーツを着込んで登場。

正直、このためだけのヒゲだが、なんだかんだで燃える場面。

娘も、反対しながらも、涙をこらえて護衛機として飛ぶことを決意。

ここが、本作のハイライトだが

無駄

無駄でした。

結局、元大統領が女王の目の前で自爆するも、シールドに阻まれ無傷。指揮艦は落としたものの、母船も全く支障なし。

さらに女王は、本物のイイ者コアの場所を察知して奪いに行く。

こんな時に使いたい言葉。
自重しろ。
むき出しの心臓が率先して、矢面に立つようなものだ。

ドラえもん魔界大冒険でも魔王の心臓はちゃんと隠してあった。

宇宙人の下っ端は気が気じゃないはず。

小型機が巨大な女王の周りを旋回してたのは、守ってるんじゃなくて、戻ってくださいとすがっているんじゃないだろうか。

しかし、女王は目の前に走るスクールバスがいたのでそれを追いかけることにする。

知的生命体というよか猫かなにかだね。

女王もやっと本筋を思い出し、コアを奪いにくる。戦闘機に袋叩きにされて死ぬ。

そりゃ外殻を着込んでいたって袋にされたら死ぬわいね。

辛くも、掘削がマントル到達寸前で女王が死に。母船は空気を読んで帰っていく。

母船の方々も、エネルギー吸い取ってから帰れば、故郷での待遇もよくなるだろうに、敗残兵の潔さを見せ、採掘は取りやめてくれる。意外に武士道を心得た宇宙人だ。

その様子をみた、イイ者宇宙人コアは、見直したといって協力的になる。侵略者居所も知っているらしく、今度はこちらから攻め込もうかという話になってエンドロール。

あからさまに続編に対して色気をだしてくる。

ドラマのシーズン終わりみたいな幕切れだった。

総じて、エメリッヒ史上トップレベルの雑な脚本と演出。前作キャラ含めて魅力のない登場人物たち。敵も含めて、すべての行動の知能の低さ。こちらも知能指数を下げて挑まないと気になって集中できない。
しかし、迫力はあるので、紀元前1万年リサージェンスよりは退屈しないはず。