『ファミリービジネス』そんな息子なら捨てちゃえば?

『ファミリービジネス』
Family Business
1989・米 シドニー・ルメット
IMDb 5.6
Rotten Tomatoes 38%


あらすじ:優等生なのに泥棒稼業にあこがれたので、父親を巻き込みます。

ショーン・コネリー、ダスティン・ホフマン、マシュー・ブロデリックの豪華共演、各々光る演技を見せながらちぐはぐな脚本に足を引っ張られ、評価も興収もいまいち。

家族としてのジレンマなら『その土曜日、7時58分』のほうがヒリヒリするサスペンス強調されていて面白かった。

移民の玄関口として、人種入り乱れたニューヨークの描写は興味深いものの、お話にうまく絡んではいない気がする。

魅力的な要素を持ってはいても、すべてがぼんやりと薄味に感じられた。

↓ネタバレ感想↓

ちょい悪じじぃのショーン・コネリーにあこがれて、マシュー・ブロデリックは盗みで一仕事したいと思っている。足を洗ったダスティン・ホフマンはそれを辞めさせたいが、聞く耳を持たない。

この時点で、マシューがクズすぎる。いい大学に行かせてもらいながら、いっさい感謝せず、コネリーじいちゃんに心酔し泥棒稼業に手を出そうとする。
ホフマンは何とか説得するが、結局、ほかの無能と組むくらいならと協力することに。

マシューがいけ好かないのを別にすると導入部分は面白い。
アメリカの玄関口、ニューヨークはブロンクス。ユダヤ人、アイルランド人、イタリア人が多いらしく。
ショーン・コネリーはアイルランド人、彼とイタリア女性の間に生まれたダスティン・ホフマンは、ユダヤ人と結婚し、息子はヘブライ語でお祈りもできる。
人種のまじりあった家族関係で、祖父はアイルランド人らしく、粗暴だが豪胆で男らしい人物。父は、かつては祖父と盗みを行っていたが、地道に会社を経営する仕事人間になっている。

ホフマンも、ビジネスマンとして大成し、父親とは別の道を歩みながらも、アイルランドの血が混じっている。会社の商品を横領している社員を殴りつける場面でそれがわかる。執拗に社員を殴りつけて首にする。否定しながらも父親と似ていることが表れている。

マシューは学生の身で、祖父と父の人生観の間で揺れるようだ。

前半はドラマもしっかりとしていて、盗みの計画などはケイパーものの雰囲気もあるため非常に楽しい。しかし後半はどっちつかずのジャンル行方不明状態に。

簡単な盗みだと、マシューが計画を持ちかける。その段階で、研究ノートと、農業肥料を生み出す酵母、二つを盗むと説明していた。
発起人のくせに、盗みに来たのに手袋を持ってこない、さらにマシューは、自分で言ったノートを忘れ、それを取りに戻ってお縄に。
後半は、マシューのために祖父が自首するか否かが争点になってくる。
しかも、盗んだ酵母は偽物で、研究者が時間稼ぎのために盗難騒ぎを起こすためマシューをだましたことがわかる。
結局マシューの罪の重さがぼやけてよくわからないだけで、不要な設定に思える。
マシューの実刑を回避するため、祖父、父ともに自首することに。
前述したように、世間知らずが思い上がった上に、ポカをしたので、こんなやつ助けなくてもいいんじゃないかと思える。
それでも息子のために必死になるホフマンの演技は熱が入るがストーリー上は肩すかしな熱演。
二人が自首し、祖父が主犯ということになる。
祖父だけが実刑。あとの二人は執行猶予となる。
甘々な結論にげんなりしていると、いきなりショーン・コネリーの具合が悪くなってお亡くなりに。
なんだか、タイミングを見計らったようで、さらにげんなり、最後はブロンクスの町に遺灰をまいて、アイルランドの心の歌、ダニー・ボーイを合唱する。

感動的な話のようでいて、その実、アマちゃんがミスって運よく難を逃れた話にしか思えないのが残念。
名優を集めてこの程度。シドニー・ルメットのといとした躓き。顔はそこそこ似ていて、身長が大違いの二人は、体格だけで人間性が出ていていいキャスティングだった。しかし、そこからマジックが生まれた感じはない。

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