『デッドゾーン』異能者の歩みは孤独へと向かう。

『デッドゾーン』
The Dead Zone
1983・加 デイヴィッド・クローネンバーグ
IMDb 7.2
Rotten Tomatoes 90%

あらすじ:目を覚ましたら予知能力がありました。

スティーヴン・キング原作、デヴィッド・クローネンバーグ監督の名作という情報だけで見始めた。
フツーに面白い。知らずに見たらクローネンバーグと気が付かないんじゃないだろうか。自分が変質するという要素はあるものの、予知能力を得るだけで、見た目は普通の人間のまま。周囲から孤立して行きながらも、全身が肉の塊になったりはしない。

話としてはクローネンバーグ感がありなあらも、ビジュアルが普通なので、見やすい反面物足りないかも。

↓ネタバレ感想↓

平穏な日々を送る教師、交通事故ですべてが変わる。
5年間の昏睡状態で、恋人は別の男と結婚。
予知能力を身に着けたことを公表し、周囲の人は離れていく。

信じない者は変人扱いし、信じる者は化け物扱い。どちらにせよ人は離れていく。唯一主治医だけは、親身になってくれる。力は未来を見るだけでなく帰ることができるとアドバイスを送る。
あるとき偶然出会った。議員がのちのち大統領になり、核戦争を起こすことを知る。

主人公は悲劇を回避するために独りで議員暗殺を企てる。
結果暗殺は失敗し、主人公は銃で撃たれて息絶える。しかし議員が子供を盾にしたことで、未来ではそれが記事になり自殺する。その予知を見て、満足そうに息を引き取る。
孤独な戦いの孤独な勝利は非常に美しく感動的だ。

あえて欠点を挙げると、中盤の殺人事件の操作が本筋と外れているところくらいか。

できればもっと、予知能力をグレーに描いたらどうなっただろう。予知能力が本物だと確信しているのは主人公だけで、未来に核戦争が起きるか確証はないまま暗殺を決意するとか、ニューロティックスリラーな描き方でも面白いかもしれない。

元ネタの人物、ピーター・フルコスはインチキ風味の強いやつだったから、そういう含みもあるのかもしれない。

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