『カーズ/クロスロード』どこまで人として見られるか。

 『カーズ/クロスロード』

Cars 3

ブライアン・フィー

2017・米

Directed by Brian Fee. With Owen Wilson, Cristela Alonzo, Chris Cooper, Nathan Fillion. Lightning McQueen sets out to prove to a new generation of racers that ...
Blindsided by a new generation of blazing-fast racers, the legendary Lightning McQueen (voice of Owen Wilson) is suddenly pushed out of the sport he loves. To g...

あらすじ:レーサーとして活躍し続けるマックィーンだったが、突如現れた新人レーサーに敗れてしまった。引退がささやかれる中、復活をかけてトレーニングを開始する。

とってもいいドラマ。ベテランレーサーの斜陽。復活への希望と、新たな道。非常に感動的なドラマだ。

だが、世界観を受け入れるのが難しい。 脚本は秀逸だ。人物描写がしっかりとしていて、伏線が効いていて、すべてが終盤の展開に活きてくる良質なストーリーになってる。

しかしそれは実写、もしくは人間が主人公の場合だ。

本作は、車だけの世界での話。

一作目では、主人公の技能的な話は抑え目で、調子に乗った若手スターが田舎町での出会いによってレースの本質に目覚めていく話だった。マックィーンのメンタルの成長を主軸としているので、さほど世界観には違和感は抱かなかった。

二作目は毛色の違う冒険活劇なので置いといて。

三作目は再びレースものになっている。引退の瀬戸際に立たされているマックィーン。子供向けアニメとは思えない題材だ。

そんなあらすじを見て、マックィーンは勝てるのかな!?と純粋に楽しめそうだと思った人は問題ない。ロッキーやレスラー、ハスラー2のようなベテランスポーツものカムバックものとして楽しめるに違いない。

しかし、疑念の湧いた人は早めにそれを捨て去らなくては、感動は難しい。

一番に浮かぶ疑念。引退っていうけど、彼らの老いや死生観はどうなっているのか。 劇中マックィーンは何度も年寄扱いされる場面がある。それに反発して復帰を果たすのが大筋だ。だが、歳をとるとはどういったことなのか、新世代のハイテクレーサーとはどのような違いがあり、年寄りは、その差は埋められるものなのか。

ふと思い出したのは、『艦これ』のテレビシリーズだ。在りし日の艦隊の魂を宿した少女が、海上での戦闘力を高めるために、走り込みをする場面がある。通常、アニメなり、映画なりで努力を重ねるシーンは大事だが、彼女らが人間とどう違うかも明示されないまま走り込みをしたところで何が起きるか全く想像が働かなかった。

アニメばかりで申し訳ないが、もう一つ『ダンジョンに出合いを求めるのは間違っているだろうか』の訓練シーン。作中の世界は、RPGよろしくレベルの概念があり、ダンジョンに潜って経験値を積んでレベルを上げて強くなる。にもかかわらずダンジョン外で特訓を受ける場面がある。

お前は努力を重ねるとどうなるんだ?

それと全く同じで、マックィーンがどれほど頑張って、どんな訓練をすれば、次世代レーサーと張り合えるようになるかが示されないまま話が進んでいく。

終盤、この違和感を生かした脚本のツイストがあるが、それでも世界観への違和感がぬぐえず。純粋に感動を味わうことはできなかった。

要所要所、シーン単位では泣ける場面も多かった。亡くなったポール・ニューマン演じるドック・ハドソンの不在ゆえの存在感は涙なしにはみれない。

ネタバレしながら、成長させるのは別のキャラだったのではという妄想。

【ネタバレ】 『カーズ/クロスロード』成長させるヤツが違う。
世界観にノリづらいという、ネタバレ無しの感想はこちら 思い返すほどに違和感が大きくなる気もする。 演出の...
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